羽毛布団リフォームが完成するまでの手順

ふとんのこと

当店では羽毛布団のリフォームを行っています。お客様は、古くなって側生地が破れたり、汚れがひどくなったり、中綿に偏りが生じたり、サイズを変更したいという理由でご来店されます。廃棄して新しい布団を購入することもできますが、元々品質の良い羽毛が使われている場合は、リフォームが経済的にも魅力的な選択肢となることがあります。リフォームの際には、その点も考慮しながらご相談させていただきます。

羽毛ふとんのリフォームの流れ

羽毛布団をリフォームする場合は、下記の流れになります。今回のお客様は、20数年前に購入したダブルサイズの羽毛布団です。

羽毛布団の検品

最初にお客様立会いの下、お預かりしたふとんを検品していきます。

確認するところは、主に3点です。

側生地の確認
羽毛かけ布団
襟元の汚れ

張りのある薄めの綿100%の側生地です。使用期間が長いため、襟元の汚れが目立ち傷んでいます。現状、生地が裂けたり穴が開いいる場所はありませんが、そろそろ危ない感じです。羽毛布団の汚れが生地の裂ける原因になるので、定期的なふとんの丸洗いが寿命を延ばすコツです。

キルティングの確認
広げた羽毛布団
マスの大きな羽毛ふとん

長期間使っているので、真ん中の羽毛が偏って上下に移動してしまっています。最近では、羽毛が偏らない作りのものも増えていますが、昔はマチの部分に穴が開いているものが主流だったので、年数とともに偏るのは仕方がないことです。キルティングのマスの数も4×4と大きめのマスをとってます。マスやマチを大きくすると、ふとんに厚みが出るんですがドレープ性を損なうので、近年は区画を小さくしてマスの数を多くするのが主流です。

羽毛の確認
羽毛ふとんのラベル
羽毛布団のラベル2

ラベルに(hungarofeder社?)ハンガリー製と書いているので輸入品かと思います。このメーカーの羽毛布団は、今まで何枚もリフォームしてきましたが、中綿量が日本の基準より少なく合い布団くらいしか入ってません。ダウン率は書いてないのでわかりませんが、ハンガリーホワイトグースの手摘みなので高品質なダウンかと思われます。

原毛2gのかさ
羽毛の原毛
手上に置いた羽毛

経年劣化で羽毛が団子のように小さくなっているものが多く、目減りの原因となっています。羽糸のちぎれも散見されますが、もともと質の良い羽毛なのと、大き目のダウンボールも多いので、リフォームするときれいにふくらむと思います。

相談

当店の提携しているリフォームメーカーは2社あり、それぞれ側生地の種類が17種類と14種類。補充羽毛も4種類づつと多岐にわたります。また、仕上がった時のキルティングの数や、厚みやサイズ、仕上がりの価格など色々と選んでもらいます。今回の希望は、ダブルサイズの合い掛け布団。補充する羽毛は、ポーランドグース93%、キルティングも4×4マスから最近主流の5×5マスに変更しました。

仕上がり・納品

出来上がりはこちら。側生地は、軽くてしなやかな80番サテン。

洗浄で減った分だけポーランドグースを補充。キルトのマス数も5×5マスにしてドレープ性を高めました。

まとめ

今回のお客様は、ダブルサイズの合い布団からダブルサイズの合い布団への変更でした。リフォームするかどうか迷ってたけど、やってよかったと大変喜んでいただけました。

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